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遺族補償年金の支給が認められず裁判を起こしている男性=2023年、東京都千代田区

 労働災害(労災)で死亡した人の配偶者などが受け取れる遺族補償年金をめぐり、厚生労働省は、性別による支給要件の違いを解消する方向で検討に入った。共働き世帯の増加を踏まえ、配偶者を亡くした妻は年齢制限なく受け取れる一方、夫は55歳未満だと受け取る権利が発生しない――といった男女差をなくす方向で検討を進める。

 複数の厚労省関係者が明らかにした。厚労省は来年の通常国会を視野に、夫の年齢制限をなくす案を軸に検討を進め、労災保険法の改正法案の提出を目指す。

 遺族補償年金は労災で死亡した労働者の家族に支払われる年金。家族の数に応じて、労働者の賃金の約5~8カ月分が毎年給付され、対象者は2023年度には約10万人。一時金や支給金を含めると約2千億円が支払われた。

1965年の制度創設当初から男女差

 現行の労災保険法では、妻は…

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